看護師は、人の生死に接した職業です。そのため、快復して無事に退院していく患者だけでなく、亡くなる患者を見送っていくことになります。
患者の死は看護技術では到底覆せないものなので、それをどう受け止めるのかが重要です。自責の念に押しつぶされないよう、業務を行っていく必要があります。
患者との接点をドライに保てば、そこまで動揺しないと考えるかもしれません。しかし、むしろ明るく普段から交流できている方が、納得のいく形を作ることができるようになります。感情の制御や整理は長く看護師として働いていくためには必要不可欠で、患者のためだけではなく、自分のためにも身につけるべき技術と言えるでしょう。
患者を看護している場面では、患者についてむしろきちんと覚えておく、自覚的にどのような最期であったのかというようなことを心に留めておくと、後の財産になります。どれだけの患者をきちんと世話できたのか、看取ることができたのかというのは、看護をする上で、形を変えた成果と捉えることもできるためです。
死はマイナスと考えられることも少なくありませんが、それだけの患者に関わって助けられたということは、自分自身の励みにもなります。
看護師の同僚同士の場面では必要以上に暗くならないよう、楽しかった話などをして記憶を良いものとして定着していきましょう。同業でなければその状況や気持ちが分かりづらいということもあるので、互いにそれらを共有し、うまく解消できるようにすることが大事です。